限られたスペースから生まれる整体サロンの癒し空間。
この物件は高床部分の物置に使用していたスペースを整体サロンの店舗に変貌させた改装工事である。 今回店舗に使用する約8坪弱という面積の中に、「施術室・更衣室・待合室・給湯コーナー・風除室・玄関」の必要なスペースを確保しようというなかなか過激な要望であった。必然的に各室ともそんなに広いスペースは期待できないため最低限の面積を確保しつつ視覚的効果を狙えるポイントを各所に盛り込んだ。 まず最初にそれぞれのエリアを間仕切る壁のほとんどを建物に対し斜めに配置した。それにより壁そのものに長さが発生し矩形に間仕切るより奥行きを感じる。それから床の色を一部貼り分け、待合室から施術室の奥まで一筋のラインを入れることにより奥行きと距離感が生まれる。さらに施術後にボディラインを確認するためのミラーを室内側に出てきている壁に取り付けることによりその威圧感のある壁の存在を薄れさせるという効果も得られた。 女性のお客様がほとんどということで内装はシックで落ち着いた装いでまとめ上げた。業態的にもリラクゼーションの空間を意識し照明も施術される側とする側の両方に適するよう床・壁・天井すべてに配置し光の位置と量を様々なパターンに切り替えられるようした。 ファサードのデザインも大人らしさを感じさせるモノトーン調にし、大きな壁をポイントにその外観を作り上げた。 様々な制約の中から生まれるアイディアや手法をふんだんに取り入れ実際の面積より広くかつ、変化に富んだ店舗に改装することに成功した例である。
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