趣味をたのしむ書道アトリエ。

この物件は、今現在生活している住宅の一部屋でやっている 趣味の書道をもっと静かで落ち着きのある場所でやりたいという要望から造られた建物である。 まず第一に、静かで落ち着いた空間を確保するために住宅からは完全に別の建物、いわゆる「はなれ」として計画することにした。 第二に、その「はなれ」の配置計画だが、限られた敷地内かつ動かすことの出来ない数ある諸条件が密接に絡み合い 施主様の要求を満たすためには困難を生じた。 既存の車庫及び玄関への通路、庭石で造られた植込み、春には綺麗な花を咲かせる「梅の木とこぶしの木」。 そして、雪国にはあると大変便利な消雪用の井戸。これらすべてを確保しながらうまくこの建物をその残りのスペースで考えた。 そのため、スマートな矩形の建物にするには容易ではなく、わかりやすく言えば「V型」の平面計画で敷地・植込みなどに素直な状態を設定した。 外壁は母屋の仕上げと連携し杉の下見板を使い、内装はシンプルに落ち着きのある仕上げとした。 窓の外には梅の木が見え、それが目隠しの役割も兼ねている。 数々の制約のなかからでしか出来ない物件になったのではないでしょうか。




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